社会人にとっても学生にとっても4月は始まりの時期ということで、「今年度はこれを達成したい」という目標を考えたくなる季節です。
でも、目標というのは不思議なもので、大きな目標を簡単に達成していってしまう人もいれば、小さな目標でもなかなかクリアできない人もいます。これって単純に能力の問題なのでしょうか?
『財布はいますぐ捨てなさい』(サンライズパブリッシング刊)の著者、金川顕教さんは、底辺高校からの名門大学合格、公認会計士試験合格、起業と、困難な目標をことごとく達成してきたすごい人。
「能力的には高くない」と自ら語る金川さんは、なぜ難関資格やビジネス成功といった目標を達成できたのでしょうか。ご本人にお話を伺いました。今回はその後編です。
(新刊JP編集部)
――『財布はいますぐ捨てなさい』では、目標達成のために余分な行動習慣を切り捨てることを説いています。たとえば「もっとお金を稼ぎたい」というのが目標としてある人はどんな能力を磨いていけばいいのでしょうか。
金川:まずはコミュニケーション能力でしょうね。コミュニケーション能力というのは営業力であったり、的確な質問をする力であったり、プレゼンテーション能力だったりします。
それと、わからないことを調べて自分なりに分析するリサーチ能力や、どんな人が何を求めているかを把握するマーケティング能力も収入と直結する力だと思います。これは会社の中で出世することにもいえますし、起業を成功させることにもいえます。能力的にはこの3つではないでしょうか。
ただ、それと同じくらい大事なのがマインドです。お金のことを嫌っていたり、「俺なんて稼げるようにはならない」と考えている人は、能力が高くてもやっぱり稼げるようにならないんです。
お金を好きになって、お金についてもっとよく知って、お金についての考え方を変えることも意識するべきだと思いますね。
――「貯金」についても不要だとしています。これはなぜなのでしょうか。
金川:僕の本を読んでくれる方は、どちらかというとお金持ちというよりは、これからお金持ちになりたい人だとか、お金について不安がある人だと思いますが、そういう人が今稼げるお金を貯金したところで、そんなに人生変わらないですよ。
それなら、貯金ではなく自分に投資して稼ぐ力を身につけたり、稼ぐ方法を覚えたりする方が効率がいいというお話です。
貯金が悪いということを言いたいのではなくて、今稼げていない人にとって貯金は投資効率が悪いですよ、ということを伝えたいです。
――今の貯金や財布をはじめ、本書では実に様々なものを不要なものとして、そぎ落とすことをすすめています。これを実践した結果何が生まれるのでしょうか。
金川:自分の目標なりやりたいことを達成できるでしょうし、おそらく手元には自分にとって本当に必要なものだけが残ります。
本の中で人付き合いも不要なものだと書いているのですが、これは実際自分がやっていたことで、大学受験の時にそれまで付き合っていた友達との交流をやめたんです。でも、それで友達がいなくなったかというとそんなことはなくて、本当に仲のいい人との関係は切れませんでした。
人付き合いは、自分が考えている以上にお金も時間もかかるものです。大勢でわいわいやるのもいいですけど、どうしても自分のために使える時間は減ってきてしまう。
友達を過ごす時間を削ってやるべきことに集中するのと、自分の時間がなくなっても友達を楽しく過ごすのと、どちらがいいかという話です。厳しいことを言っているかもしれませんが、それくらい身の回りのものをそぎ落として時間を作らないと結果なんて出ないですよ。
「そんな人生楽しいの?」って思う人もいると思いますが、それは違うと思います。僕は大学四年間のほとんどを公認会計士試験の勉強に費やして、皆が遊んでいる中でひたすら勉強していました。でも、当時つまらなかったかというと全然そんなことないですよ。今思い返すといい青春だったと思いますし、合格もできて満足していますし。
――金川さんは今もビジネスの分野で様々な目標に取り組んでいます。モチベーションはどんなことですか?
金川:僕は今、お金を稼ぐ力を身につけたり、お金を増やす方法を教えるスクールをやっているのですが、起業したい人ですとか、脱サラを目指す人だとか、色々な人が来ます。
そういう人に自分の知識やノウハウを教えて、その人がうまくいったとすると、それは誰かの人生を変えたわけで、感謝されるとやはりうれしいです。それはモチベーションかなと思っています。
――最後になりますが、達成したい目標がある人や、金川さんの本の読者である「お金持ちになりたい人」に向けてメッセージをいただければと思います。
金川:目標を達成できなかった人って、「できることをすべてやっても達成できなかった人」ではなくて、途中で諦めてしまった人の方が多いと思います。
そして、途中で諦めてしまった人のうち、「十分に時間があったのにやるべきことをやらなかった人」は単なる怠け者ですが、「時間がなくて必要な訓練なり勉強ができなかった」という人も多いはずです。
本の中で、「新聞を読むな」とか「テレビを捨てろ」とかいろいろ書いていますけど、こういう人こそ自分の行動を整理して、目標への取り組み以外にやることのない状況を作っていただきたいです。それが目標達成への一番の近道なのではないかと思います。
(新刊JP編集部)
『財布はいますぐ捨てなさい』の著者、金川顕教さん