デキる営業マンと、そうでない営業マンは、どこに差があるのでしょうか。コミュニケーション力、人間力、積極性…「営業力」にはさまざまな要素がありますが、なかなか思うような結果を出せずにいる営業マンは、その営業力を一刻も早く身につけたいと考えているはずです。
そこで参考にしてもらいたいのが『なぜあの営業マンは1億円の商品をいともたやすく売るのか』(かんき出版/刊)です。著者の瀧本真也さんは25年前に住宅営業の仕事を始め、現在は住宅業界専門の経営コンサルティングを手がけています。
住宅業界は高額商品を扱うという意味で、営業マンにとってはかなり難易度の高い分野といえます。しかし、瀧本さんがこれまでに「世の中がどんなに不景気になろうとも、高額商品を売りまくる優秀な営業マンたち」を大勢見てきたなかで見つけた彼らの共通点があるといいます。について、次のように述べています。
ここでは本書であげられている数ある共通点から2点、重要なものをピックアップしてご紹介しましょう。
■営業マンとしてやるべきことを実行している
「営業マンとしてやるべきこと」とは何なのでしょうか。瀧本さんの言葉を借りれば、「お客さまとの間で必ず確認しなければならない8項目を、自分本位のタイミングで闇雲に聞いたりせず、必ず、お客さまの心理変化に沿って順序立てて聞いていく」(P57より引用)ということになります。
優秀な営業マンはまず、医者が患者に問診するかのように様々な質問を投げかけることで、お客から「Why(なぜ)、When(いつまでに)、How money(いくらで)、What(どの会社の商品を)、Where(どこで)、Who(誰が決定権を持って)、Which(ほかに検討しているものは)、How to(見積もり)」といった8つの情報を聞き出していきます。
そして、この8つの情報それぞれについて、お客の「警戒心をもって近づく」「興味を持ち始める」「感情が高まる」「決断したいが迷う」といった4つの心理変化に合わせて、「状況を確認する」「最適な提案をする」「提案内容を理解してもらう」「納得してもらう」という4つのフローで働きかけをしていきます。
これは「8×4=32の法則」といい、瀧本さんによるデキる営業理論の中核をなす考え方です。
■お客の性格を的確に見極めた上で接客している
もう1つ、ご紹介しましょう。それは「お客の性格を的確に見極める」ことです。
この「性格」は「ソーシャルスタイル」といい、4つの類型からなると瀧本さんはいいます。
○感覚型…自分の気持ちに正直。変化を好み、リスクも取れるタイプが、単調なことを嫌うことも。
○友好型…強調的な態度が取れる「誠実で柔軟」なタイプ。あまりリスクは取りたがらない傾向。
○主導型…イニシアチブを取れるリーダータイプ。実利主義なので感情より能率や効率を優先することも。
○理論・分析型…合理的に考えられ、アドバイスを求められるタイプ。慎重で綿密、体系的な思考をする。
優秀な営業マンほど、短い時間でお客がどのタイプの性格なのかを見抜き、ブレのない接客をするといいます。相手がどんなタイプか瞬時に見抜くためには熟練が必要かもしれませんが、お客と接する際、頭のなかにこれらの枠組みを用意しているだけで自ずと接し方も変わってくるはずです。
本書では、「売り込まなくても、お客が買いたくなる」ような「売れる仕組み」が解説されています。また、この仕組みにおいて一貫しているのは「徹底してお客の声に耳を傾ける」ということ。
営業職に就いて間もない人はもちろん、ある程度、営業職の経験を重ねてはいるが壁に突き当たっているという人にも発見の多い一冊といえるでしょう。
(新刊JP編集部)
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