誰でも一度くらいは夢や願いが現実になったという経験をしたことがあると思います。どんな夢、どんな願いでも、叶った瞬間のうれしさは何にもかえがたいものですよね。
ところで、「夢が叶った時」、自分がどんな精神状態だったか覚えていますか?
『夢がかなうとき、「なに」が起こっているのか?』(サンマーク出版/刊)の著者で、心理セラピストの石田久二さんは、夢や願いが叶う時の共通項を「眠っている間に『こびと』が『くつ』を作ってくれるようなとき」だとして、この状態を「さとり」と呼んでいます。
「グリム童話」でおなじみの「こびとのくつや」ですが、それと「さとり」とどう関係があるのか。石田さんは「『さとり』の状態でこそ『こびと』が活躍する」といわれます。石田さんのいう「さとり」はどんな状態なのか?
■「さとり」とは「差取り」
石田さんいわく「さとり」とは「差取り」。
私たちはみな、「善悪」「優劣」「上下」といった価値観を持っています。身長が高いか低いか、年収が多いか少ないか、などの価値観に縛られて一喜一憂しています。
しかし、この状態でいる限り、「こびと」は出てきません。そうではなく、自分の価値観に基づいた優劣の「差」がなくなり、善悪も優劣もないフラットな状態な時が、「こびと」が出てきて、夢や願いが現実になる瞬間だといいます。
■自我がなくなる瞬間
自我とは、ひとことで言えば「自分と他人を分けるライン」のこと。
石田さんによると、産まれた瞬間にお母さんと切り離されて、はじめて「自分」という独立した存在に気づくのだそう。そして、その後の成長によって「自分」と「他人」、「自分のもの」と「他人のもの」の区別がつくようになるといいます。
それらの区別が自分ならでは世界をつくり、同じものを見ても幸せな気分になったり、嫌な気分になったりするのですが、どちらにしても「ありのままの世界」を見ているわけではありません。これらの区別が何かの瞬間に外れ、自分と世界を隔てるラインがなにもなくなって「すべては一つ」と感じられた時が自我のなくなる瞬間。それが「こびと」が出てきて夢や願いが現実になる時なのです。
■「なーんだ、これか」という感覚
ただ、自我がなくなるといっても、目新しいものではありません。
なぜなら、「自我のない状態」というのは、誰もがお母さんのお腹の中で一度経験しているものだから。だから、いざその状態が訪れた時の感覚は「驚き」などではなく、「なーんだ、これか」という、既視感や懐かしさをともなうものであり、実はその時に「こびと」が出てくるのです。
そうなると「なーんだ、これか」という感覚は、石田さんのいう「さとり」の状態に入り、夢や願いがまさに叶おうとする予兆と言えるのかもしれません。
今回取り上げた「さとり」の状態は、「わかる!」と思う人も「全然わからない」という人もいるはず。でも、夢や目標を叶えた人の精神状態には、確かに共通するものがあるそうです。
本書にはどうやって「さとり」の状態から「こびと」を引き出すか、その結果、どのように夢や願いが叶うのか、その瞬間、「なに」が起こっているのかといったことが詳しく解説されています。
願ったことややりたいことをきちんと実現できる人生にするために、本書は一役買ってくれるはずです。
(新刊JP編集部)
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