同僚、友人、家族など、なるべく誰とでも良い関係を築いていきたい。しかし、そう思ってはいても、身近な人間関係ゆえにうまくいかないということもある。
どのような接し方をすれば、身近な人たちと良い関係を築いていけるのだろうか。
『「うまくいかないあの人」とみるみる人間関係がよくなる本』(青木仁志/著、アチーブメント出版/刊)では、「選択理論」を使って、パートナーと最高の人間関係を選び取るコツを紹介する。
ここでは本書の中から「親子関係」の部分を取り上げよう。
■子どもへの過度な干渉に注意
親子の関係は、子どもが大人になっても良好な関係を維持していたいもの。ただ、最近では子どもの親離れよりも、子離れできない親が増えてきているという。
我が子可愛さにいつまでも子ども扱いしてしまうことは多い。子どもへの愛が強すぎると、子どもが成長するにつれ、どうしても力の欲求を満たしたくなる場面が出てくるのだ。たとえば門限の設定や、異性との交遊関係への干渉などがわかりやすい例だ。そうなると、親子はお互いに不幸で不満足な人間関係を築くことになってしまう。
このようなことになってしまわないためにも、親は自分の思考と行動しかコントロールできないことを知るべきだろう。
子どもとはいっても親が関わることのできる範囲には限界がある。親が子どもに提供できるのは、良質な情報だけ。援助や支援はできても、最終的に子どもの将来を決めることはできない。子どもに本当に幸せになってもらいたければ、そして、成長しても良好な親子関係を維持したければ、このことを忘れないようにしなければならないということだ。
■信頼しあえる親子関係をつくるには?
本書で紹介されている「信頼しあえる親子関係の秘訣」をもう1つあげる。
それは、ガミガミ言わなくても子どもは主体的に勉強するということだ。
ただ、勉強させるのではなく、「勉強で何が得られるか」を一緒に考え、クリアにしてあげるのが親の役目。それには子どもの将来を一緒に見つめる視点が必要になる。
体育や美術、音楽といった学校での総合的な勉強が円満な人間形成に役立つということを、自分の経験を踏まえて話すのが親の役目だと著者は述べる。苦手な科目を克服することで自信がついた。逆に得意な英語に集中したことで今の仕事につながっている、そういったシンプルな言葉に子どもは励まされ、やる気になる。
そのためにも、子どもとはいつでもオープンに、フラットに話し合える人間関係を築く努力をすることが大事だ。
子どもを愛するばかり、心配し過ぎたり、子どものやることに口を出してしまいたくなってしまうこともあるかもしれないが、子どもの自立心を育むためにも適度な距離感を保つことも重要なのだろう。
身近な人たちと良い人間関係を保つことは、自分の幸せだけではなく、周りの人の幸せにもつながるはずだ。
(新刊JP編集部)
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