27歳、OL。男性との交際経験なし。化粧も服も地味な引っ込み思案。若い年齢での社内結婚が多い会社内において、すでにお局様的なポジションにおさまりつつある川内未紘(みひろ)は、事故死した父親の後を追うように急逝した母親の四十九日の法要を終え、気持ちに区切りをつけるために後回しにしていた遺品の整理をしていた。
寂しさと悲しみの中で、ただ淡々と時間が過ぎていく。そんな失意に暮れる未紘の前にあらわれたのは――――なんと、総理大臣・伊勢知長嗣だった。母親の幼馴染みだったという伊勢知は、線香をあげた後、未紘に向かってこう言った
「川内未紘ちゃん。私と、結婚してくれませんか」
えーっ! いきなり現役総理大臣からのプロポーズ!?
さらに、その総理大臣との結婚を阻止すべく、未紘の前に超大金持ちのイケメン3兄弟が現れ、“干物女”だった未紘を一人の魅力的な女性として成長させるためにあの手この手を使うのだが…。
角川文庫発の新文庫シリーズ《クロスラブ》シリーズ第1弾作品となる『子羊は金曜の食卓で』(仁賀奈/著、角川書店/刊)は、胸がキュンキュンしてしまうシーンが満載で、読んでいるとカラダが熱くなる女性向け恋愛小説だ。
ここで、新刊JPが選んだ本作の読みどころをいくつか紹介しよう。
まずは、超大金持ちのイケメン3兄弟による未紘への“言葉責め”。とても強気で過激な兄弟たちの言葉に対して、男性経験のない未紘は、顔を赤らめながら戸惑いを示す。
「オレ、ディープキスしかしないから、残したときは覚悟しといてね」(p100)
「彼女を脱がしていいのは僕のベッドのうえだからね、焦りもするよ」(p120)
「もっとお前の声を聞かせろ。存分に喘がせてやる」(p187)
また、この3兄弟は揃ってプライドが高いのだが、物語が進むにつれて、少しずつ未紘に自分の持っている“弱さ”を開いていくところもポイントだ。
なぜ、総理大臣は未紘に求婚したのか? そして、なぜ3兄弟は“地味な干物女”未紘と総理大臣の結婚を阻止しようとするのか? そして未紘の運命は?
《クロスラブ》シリーズは、この『子羊は金曜の食卓で』のように、ココロもカラダも満足できる恋をがっつり味わえるところが特徴的。少女小説を卒業して、少しオトナな物語を楽しみたいという女性に特にお勧めだ。
《クロスラブ》シリーズ編集長の金子亜規子さんは、本シリーズについて「気持ちいい恋愛したいなあ、と思ったのです。ココロだけじゃ痛いし、カラダだけじゃ切ない…と考えるうちに、ココロもカラダも愉しく気持ちいい恋で、文庫シリーズ始めてしまいました」とコメント。そして、「第一弾はこのジャンル唯一無二のクイーン・仁賀奈さん『子羊は金曜の食卓で』セレブ兄弟と地味系女子のめくるめく恋とHをハイテンションで。そして彩木理央さん『キスの糖度』はある特技を持ったショコラ店主と、恋に疲れた女性たちの親密な時間を描いて、ドキドキ&ほっこりさせます。このシリーズ、今後1月、3月と素敵にときめく作品を送り出してゆきますので、どうぞよろしくお願いいたします。読んでくださったあなたにも、そしてわたしにも、素敵な恋の時間が訪れますように」と読みどころや今後の刊行予定を教えてくれた。
ひとあし早く、気持ちを春にするドキドキのラインナップが今後も連続刊行予定。その世界に浸ってみてはいかがだろうか。
(新刊JP編集部)
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