あなたは「値引き」という言葉が好きですか?
きっと、多くの人は「好き」と思うのではないでしょうか。
スーパーやデパートなどでよく見かけ、手をのばすときの判断材料にもなる「値引き」という言葉ですが、実は心理学用語の一つでもあり、その意味は「現実を歪めて問題解決に向かわない」というものです。
例えば、レストランで自分より後から入ったお客さんの方に料理が先に出されたとします(しかも同じものを頼んだのに!)。あなたは「えっ?なんで?」と思うはずですが、そのとき店員に何も言わずにイライラしながら黙って(もしくは愚痴を言いながら)時間を過ごすと「値引き」になるのです。黙っていても、問題解決はできないですから。
以上のように、「値引き」は実はネガティブな意味も含んでいます。値引いてばかりいては、何も行動を起さなくなり、人生は上手くいきません。
『もう仕事も人生も「値引き」しない』(山崎真理/著、東京堂出版/刊)では、日常でついやってしまいがちな「値引き」のからくりに気づき、自分で冷静に現実適応することで、よりよい生き方ができるようになる方法を紹介しています。
その中には、ちょっとしたひと言で人生が好転する効果絶大の処方箋があります。そのキーワードは「ストローク」(相手の存在を認める働きかけ)です。
(1)「与え上手」になる
休みの日に髪の毛を切ってきた上司を見て「おはようございます。○○課長。スッキリ散髪されましたね」と言ったり、部下から受け取ったメモを見て「○○さんのメモは字がとても見やすくていつも助かるよ」と声をかけたりするなど、タイミング良くストロークを加えると、相手は快い感情になり、あなたに好印象を抱くはずです。
(2)「受け取り上手」になる
言われて嬉しいひと言に対するストロークも有効です。新調したスーツを「清涼感があっていいね」と言われたら、「ありがとうございます。センスのいい○○さんにほめていただいて嬉しいです」と素直に嬉しさを口にすると、褒めてくれた人のことを大切に思っていることが伝わり、良好な人間関係を築くことができるはずです。
(3)「求め上手」になる
今日はあなたの誕生日。なのに、家族の誰からも「誕生日おめでとう」がありません。こんなとき、あなたはどんな態度を取りますか? 「今日、わたし、誕生日なんだ」とひと言伝えるだけで「あら、そうだったわね。お誕生日おめでとう」という言葉がもらえるはずです。
自分からほめて欲しいと要求することは人として、はしたないと思う人もいるかもしれませんが、心理学的には要求してもらったストロークも、要求せずにもらったストロークも、価値は一緒だといいます。ならば、ストロークを求めていけばいいのです。
(4)「断り上手」になる
食事や映画を誘われたとき、あなたは自分の心に正直に断ることができますか。
「親睦会に誘っていただきありがとうございます。ただ、今日は体調が優れないので早く帰って休みたいのです。またこの次にお声をかけていただけますか」
このようにしっかりと理由をつけて断れば、相手を傷つけることにはなりません。むしろ、ストレスがなく、後味のいい関係を築くコツになります。断るときは人格にふれず、その行為に対して正直伝えましょう。
(5)「自分にほめ上手」になる
毎日頑張っている自分に対してほめたことがありますか? 昨日より成長した自分に、自分自身が喜ぶストロークを与えていますか?
「えらいぞ自分! よく頑張った」というようなセルフストロークは、日頃からたっぷりと与えておくことで、もし落ち込むことがあったときも意外と回復が早くなります。言葉だけでなく、記念になる品物を買うのも大事なこと。自分にごほうびを贈りましょう。
この5つのストロークを実践すれば、「値引き」の習慣からさよならできるはずです。
「過去と他人は変えられない。変えることができるのは、“今、ここ”にいる自分だけ」という有名な言葉がありますが、あなたのちょっとしたひと言が、人間関係を大きく変えるきっかけにつながります。「誰でも」「お金をかけず」「すぐできる」という本書のメソッドをぜひ、活用してみてください。
(新刊JP編集部)
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