貯金できる人と貯金できない人はどんなところに違いがあるのだろうか?
その一つにあげられるのが「貯金できる人はムダづかいをしない」ということ。世の中には、私たちに「お得だ」と思わせておいて、ムダづかいをさせるたくさんの仕掛けがある。そういったトラップに引っかかってしまうと、毎月貯金をしていても、なぜかなかなか貯金額が増えないのだ。
「貯蓄出来る人と出来ない人の違い」連載の最終回は、野呂エイシロウさんの著書『毎日○×チェックするだけ!なぜかお金が貯まる手帳術』(集英社/刊)の中から、貯金できない人の“無駄づかい”ポイントについて紹介をしていく。
この3つの事例は、いずれも消費者に「お得だ」「欲しい」と思わせる戦略をとっており、ついつい乗っかってしまっている人も多いはず。あなたはどうだろうか。
【紳士服店で…】
お金が貯まる人→シャツ一枚だけ買う人
お金が貯まらない人→「二着目半額」に踊らされる人
紳士服店でよく見かける「二着目はスーツ半額」というセール。「二着買ったほうがお得だ」と感じる人も多いだろうが、そのときに買った二着目はずっとタンスの中…なんていうこともよくある話だ。
お金のコントロールができる人は、必要なものを必要なときにしか買わない。野呂さんは昔、スーツ専門店でアルバイトをしていたことがあったが、高級車に乗ったお客の多くは、シャツ一枚だけ、ネクタイを一本だけ、といった形で買いたいものしか買わず、「二着目はスーツ半額」という宣伝文句に踊らされる人はいなかったと回想している。
【バーゲンセール】
お金が貯まる人→欲しいものが安くなったときに買う
お金が貯まらない人→宝探し感覚で欲しいものを探す
たくさんの人たちで溢れかえるバーゲンセールでは、ここぞとばかりに洋服をまとめ買いする人も多い。しかし、安いからといってたくさん買っても、「全然似合わなかった」「そもそもサイズが合わなかった」ということでは、お金を払った意味がなくなる。
貯金ができる人はムダづかいをしない。バーゲンに行っても、かねてから欲しかったものを一点張りし、それだけを買うのだ。つまり、「あの服を買う」という目的をもってバーゲンに行くということだ。バーゲンセールに行くと「何か買わないといけない」という雰囲気にのまれがちだが、その空気に流されないようにグッと我慢しよう。
【CD】
お金が貯まる人→音楽のためにCDを買う人
お金が貯まらない人→握手のために何枚もCDを買う人
最近もはや当たり前となった感じがする“特典付き”のCD。その代表格が握手券で、憧れのアイドルと握手をするために何枚もCDを買ってしまう人もいる。
このノベルティーの戦略は、人間の心理を巧妙についてくるのでハマり込んでしまうと購買意欲がそそられ、同じものを何個も買ってしまうと野呂さんは指摘する。例えば、スポーツ選手のカード付きのお菓子や、ミニフィギュア付きの清涼飲料水を何度も買ってしまうのも同じ心理といえるだろう。
CDは握手するためのものではなく、音楽の聴くためのもの。自分は音楽を聴くためにCDを買っていると考えられる人は貯金が出来る人だ。音楽だけならCDは一枚で済む(それぞれのバージョンで一曲だけ収録曲が違っていたりすることも多いが…)。そこに気づくことができれば、ムダな出費は減るはずだ。
どんなお店でも、「お買い得」「今だけ安い」「特典付き」などの売り文句が並んでいる。そうした宣伝文句を前にして、「果たしてそれは本当に欲しいものなのか?」「今から自分は余計なものを買おうとしてはいないだろうか?」と立ち止まって考えてみることが、無駄づかいをなくし、貯金を増やすための近道になるのではないだろうか。
貯金をしたいと思っている人は、今からでも遅くはない。
本当に必要なものだけを買うように心がけて毎日を生活してみてはいかがだろう。そうすれば、いつの間にか「お金が貯まる」体質に変わっているはず。
野呂さんはまずは10万円を貯めて、貯金のコツをつかめれば銀行通帳の残高はどんどん増えていくという。だから、買い物をするときに少し意識すれば、あっという間に30万円くらいは預金通帳の残高が増えていた…なんてこともあるかもしれないのだ。
(新刊JP編集部)
【記事原稿】
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10万円を2週間で貯めたければ、○○は使うな。・
今、財布の中にいくら入っているか、見ないで答えられますか?・
居酒屋で“○○○○○”を頼む人はお金が貯まらない?・
無駄遣いを減らす連休中のお金の使い方30万円貯めたければ「二着目半額」に踊らされない