インプレスコミュニケーションズで電子出版のプロデュースをしている佐藤です。
今回は電子書籍のひとつの形態として、今年大きく成長した「ボーンデジタル」について触れます。
現在電子書籍として販売されている書籍は、紙の書籍を電子化したものが大部分を占めています。紙の書籍と同時に電子書籍が発売される同時発売タイトル、紙の書籍が発売から数年経って今年電子書籍となったもの、そして紙の書籍で絶版になっていたものが電子書籍として"復刊"したもの、紙の雑誌の特集ページを抜き出して電子書籍にしたものなど、紙の書籍の電子化といってもさまざまな状況があります。
一方電子書籍において「ボーンデジタル」とは、元になる紙の書籍が存在せず、電子書籍としてはじめから企画、設計、制作された「デジタルオンリー書籍」、最初電子書籍として企画されて販売開始されたのちに紙の書籍として発行される「デジタルファースト書籍」といった、最初から電子書籍として企画、制作された電子書籍のことをいいます。
それゆえ、ボーンデジタルの電子書籍は、電子書籍端末やスマートフォン、タブレット端末などでの読みやすさに特化されているほか、企画から発売開始までが紙の書籍に比べて短期間で制作できるため、旬のテーマを切り取って深く掘り下げて解説できたり、紙の書籍の制作ルールに束縛されないため、紙の書籍の1冊にするには足りない分量のコンテンツを出すことができたりと、作り手としては紙の書籍よりも小回りのきくのが特徴です。
読者にとっても、自分がほしいと思うピンポイントのテーマの書籍を必要な分だけ購入できたり、紙の書籍では読めないコンテンツを読むことができるというメリットがあります。また、インターネット上のブログやまとめサイトなどとは異なり、出版社や編集プロダクションといった編集のプロが企画・編集・制作しているのですから、一定のクオリティも保証されているといえます。
ボーンデジタルの電子書籍は紙の書籍の電子化タイトルと比べると、まだまだ点数としては少ないですが、発行点数は確実に増えて来ており、来年はさらに大きく成長していくものと思われます。弊社でも「
impress QuickBooks」(インプレス・クイックブックス)としてデジタルオンリーの電子書籍を出していますし、他社でも同様の取り組みが進んでいるようです。ぜひ電子書店でチェックしてみてください。