サッカー日本代表の若きエースとして大活躍中の南野巧実選手(23)。
先日の強豪ウルグアイ戦では、2得点を挙げ、森保体制になってから3戦連発、計4ゴールと大暴れ。ゴール前での冷静さと集中力は、長く得点力不足に悩んできた日本サッカーに光明をもたらしています。
しかし南野選手、ここ数年は不遇の時代でした。2015年に代表に選出されるも、その後3年間呼ばれず、今年のロシアW杯出場も逃しています。選手として一皮むけるために何をすべきか、と考えた南野選手が始めたのが「瞑想」でした。
「瞑想を始めてから、ゴール前での集中力が高まった」
と南野選手は言います。
瞑想といえば、古くはスティーブ・ジョブズ、スポーツの世界でもNBAの大スターだったコービー・ブライアントをはじめ、欧米のアスリートで取り入れている選手が数多くいます。
そんなに良いものなら、自分もやってみたい!
でも、瞑想のやり方って、わかるようでわからない......という方も多いでしょう。
9月に『心配事がスッと消える禅の習慣』(アスコム刊)を上梓した、禅僧の松原正樹さんはとてもわかりやすく瞑想を紹介しています。松原さんはニューヨークに在住し、グーグルやユーチューブ、スタンフォード大学でも瞑想を教えている、まさに「瞑想のプロ」。
■グーグルも注目する、瞑想がもたらす、すごいメリット
南野選手が言うように、瞑想には「集中力を高める」効果があるとされています。しかしそれだけではありません。松原さんが瞑想を教えているグーグルでは、「ストレスや不安を解消する」「リーダーシップを高める」「生産性をアップさせる」ための手法として、瞑想がとても重宝されています。
グーグル本社には瞑想ルームまであるほど。なぜ瞑想をするだけで、こんなにメリットがあるのか? その理由を松原さんは、「泥水の入ったコップ」を例にして、こんな解説をしています。
■瞑想とは「泥水の入ったコップ」を静かに置く行為
イメージしてみてください。
たとえば、透明なコップに水と土を入れて、箸でぐるぐるかき混ぜてみます。
透明度が失われ、泥水になります。このかき混ぜられた泥水こそ、私たちのふだんの心の状態。
このコップを静かに机に置いてみます。すると少しずつ波は静まり、土と水が分離していきます。
そして、土の中にも、枯れ葉や虫などがいることに気づけます。
松原さんいわく、瞑想とは「コップを静かに置くこと(心を整えること)」であり、「枯れ葉や虫に気づくこと(心の視野を広げること)」だそうです。
混乱していた心が整うと、ムダな心配事が消えていき、冷静さ、集中力がアップします。また、心の視野が広がると、余裕が生まれ、周りが見えるようになります。すると、自然とリーダーシップが高まり、生産性もアップしていくのです。
瞑想の効果は、脳科学の世界でも証明されているというから驚きです。
脳の前頭前野が活性化することで集中力がアップし、扁頭体が抑制されることで冷静さを維持できると言われています。
■世界一カンタンな瞑想のやり方
そうはいっても、毎日瞑想する時間をとるのは難しい人もいるでしょう。
そこで松原さんは、『心配事がスッと消える禅の習慣』などで、生活の中で気軽に実践できる瞑想法を紹介しています。
① 15秒の深呼吸
世界一カンタンな瞑想が「深呼吸」。1回の呼吸は15秒ほど。「ひとー」で鼻から息を吸い、「つ」で鼻から息を吐く。吐くときに、しっかりと吐ききることがポイント。2~3分続けるのがベストだが、1回の深呼吸でも瞑想効果は十分にある。
② 歩く瞑想
部屋の中でも外出中でも。足に意識を集中して歩く。地面を蹴り上げてから着地するまで、右、左、右、左、全精神をその一歩に集中して歩く。歩くこと以外、考えない。
③ 食べる瞑想
1日1食、テレビやスマホなどの電源をオフにして食べることに意識を集中する。一食材一食材を、味わって食べる。食べること以外、考えない。
④ ボディスキャン
仰向けになり目を閉じる。腹に手をのせ、呼吸に集中する。ゆっくりと息を吐きながら、意識を自分の体のさまざまな場所に移していく。まずは頭のてっぺんから、目、鼻、口、首、肩、胸、背中......と順に意識を移動させ、最終的には足の指先まで、全身に意識をめぐらせる。
いかがでしたか?
これらの方法なら生活スタイルを変えなくてもできると思います。
瞑想と聞くと、イメージ的に「無心になる」「何も考えない」と認識していた方も多いと思います。
でも本当の瞑想は、あるひとつのことに「集中する」ことで、他の余計なことを考えないようにする行為なのです。松原さんは他にも、著書の中で心を整えるための方法、習慣をたくさん紹介しています。
みなさんがもし、余計なことや、考えても仕方がない心配事や不安に囚われて、重要なことに集中できないと感じていたら、ぜひ瞑想を試してみてください。
グーグル社員のように生産性がアップしたり、南野選手のように大舞台でも落ち着いてプレーできるなど、仕事やスポーツにいい影響が得られるかもしれません。
(新刊JP編集部)
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