かつて動物園に勤務し、現在は動物病院の獣医・北澤功さんが原案を担当し、動物の面白い話をマンガで紹介する『爆笑! どうぶつのお医者さん事件簿』(北澤功/原案、ユカクマ/漫画、アスコム/刊)。動物たちのすごさ、かわいさ、怖さ、そして面白さを紹介するコミックエッセイだ。この中からいくつかの動物の生態を紹介しよう。
■ネコはウサイン・ボルトよりも速い!
すばしっこいイメージのあるネコだが、それもそのはず、なんと100メートルを約7秒で走ることができるのだ。これは人類最速の男、ウサイン・ボルト選手の持つ世界記録9秒58をはるかに上回る数字。ネコは動物最速のチーターの親戚で、筋肉が柔らかいのだ。もし機会があれば、安全なところでネコとガチ対戦してみてほしい。走りだした瞬間はるか彼方にネコがいるはず。
■ハムスターはダイエットのために一晩で20キロ走る!
ハムスターはクルクルクルクルと、一晩で20キロ走っている! まるでマラソン選手並みの脚力だが、そこまで走りまくるのには理由がある。それは、「ダイエット」のため。げっ歯類は必須アミノ酸をバランスよく摂る必要があるが、彼らの食べ物である穀物にはそれが少量しか含まれていない。なので、多くの穀物を食べることになるが、多量の脂肪・炭水化物も摂取することになってしまい、そのまま放置すると太ってしまう。そこで、カロリー消費のために猛烈に走るのだ。
■シマウマはちょっとやっかいな動物!
穏やかでおとなしいイメージのあるシマウマ。でも実は、シマウマは動物園の飼育員にとってはちょっとやっかいな動物だ。まず、人になつきにくい。さらに、興奮すると噛む。そして、噛まれるとハンパなく痛い。北澤さん曰く、シマウマは「噛まれて一番痛かった動物」。
■冬に靴下を履くフラミンゴ!
冬になると人の肌にもいろいろな症状が出てくるものだが、細長い足で立つフラミンゴの足の裏も、なんとアカギレが起きてくるという。アカギレがひどくなると、立っていられなくなるそうで、そのため、動物園ではアカギレを悪化させないように3日置きに軟膏を塗って靴下をかぶせるという処置をするという。
■お風呂に入るリクガメ
動物園のリクガメは、なんとお風呂に入るそう! なぜなら、リクガメは体内に脂肪を持たず(甲羅の下はすぐ内臓であり、体に熱をためる機能はない)、暖かいところが生息地であるリクガメにとって日本の冬の寒さ超過酷! 体調を崩しかねないので、予防のために、お風呂に入って身体を温めて体調を整えるのだ。
ほかにも「酒を飲んでストレスを発散させるチンパンジー」「毛を刈らないと熱中症で死んでしまうヒツジ」......思わず笑ってしまう話や、心がホッとする話、ちょっとビックリする話など、とても個性的な動物たちのエピソードの数々。動物好きならチェックしておきたい一冊だ。
(新刊JP編集部)
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