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「赤星鉄馬」がよみがえる

 謎の大富豪、赤星鉄馬(1883~1951)の旧邸宅を、東京都武蔵野市が2020年夏にも取得し、将来は公園などとして開放するという記事が2月12日の朝日新聞東京版に出ていた。

 現在の所有者から、土地約4500平方メートルを市土地開発公社が買い取り、建物は所有者から寄付される予定だという。建物は国の有形文化財登録を目指すという。

 BOOKウォッチでは、赤星の生涯をたどった『赤星鉄馬 消えた富豪』(中央公論新社)を紹介済みだ。著者はノンフィクション作家の与那原恵さん。

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写真は『赤星鉄馬 消えた富豪』(中央公論新社)

 赤星は、「武器商人の父の遺産で日本初の学術財団『啓明会』を設立し、柳田國男らの研究を助成。釣りをこよなく愛し、芦ノ湖にアメリカからブラックバスを移入。弟らと日本ゴルフの草創期を牽引する一方、朝鮮半島では広大な牧場を経営。吉田茂、樺山愛輔、岩崎小弥太らと親交を結ぶも、何も書き残さず、静かに表舞台から消えていった――」という人物だ。

 鉄馬は釣りにかんすること以外は一切、書くことも取材に応じることもなかったという。資産を少しずつ失うことが彼の事業で、そうして自分の姿を消していくことを意識的に選んだのではないかというのが与那原さんの見立てだ。

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