39歳でJAXA宇宙飛行士候補者に選ばれ、「中年の星」とメディアの話題に。
自他共に認める「天体オタク」であり、宇宙で撮影した写真は数万枚。その数万枚の絶景写真の中から、91点を厳選しています。星座や地上の景色、撮影する角度など油井宇宙飛行士がこだわり抜いた絶景写真は必見です。
秒速8km、拳銃の弾の約20倍の速さで移動するISS(国際宇宙ステーション)から撮影するテクニックや、宇宙での暮らしのこと、また、天体マニアである油井宇宙飛行士しか話せない宇宙空間での「星の探し方」など内容盛りだくさんです。
4章では、宇宙飛行士になろうと思ったきっかけや、挫折、戦闘機パイロットになった自衛隊時代から、宇宙飛行士になるまでの貴重なエピソードも収録しています。
『目の前のことを頑張っていれば、必ず道は開ける』と夢を諦めず挑戦し続けた油井宇宙飛行士。自分もがんばっていこうと背中を押してくれ、自然と前向きになれる一冊です。
はじめに
1章 宇宙から見た宇宙の絶景
眼下に流れる流れ星
オーロラの海を航海
太陽の光で青く染まる「きぼう」
地球を襲う自然の脅威
宇宙空間で星座を見つける
心に残った景色ベスト3
2章 撮影の舞台ウラ
人類の家・ISS
無重力での撮影
最難関!夜景を撮る
街の明かりが伝えること
宇宙飛行士の仕事スケジュール
宇宙での身体の変化
大勝負!「こうのとり」のキャッチ
「こうのとり」が運んだもの
宇宙から感動を伝える−なぜ自分は写真を撮るのか
3章 儚い水の惑星・地球
地球を小さく感じるということ
人の活動を感じる時
地形の魅力、再発見
パイロットとしての眼
ロシア・アメリカの魅力を知る
アメリカは「ピーチ」ロシアは「ココナッツ」
ISS生活に必要なこと
40歳のロシア語学習
「母なる地球」から「守るべき地球」へ
4章 「空(そら)」から「宙(そら)」へ
亀の歩み
夢をあきらめた瞬間
窮地を救った先輩の言葉
「G」で気絶
大事故に直面−悩みを乗り越えアメリカへ
『ライトスタッフ』
打倒、G
10年ぶりの宇宙飛行士の募集−葛藤
妻の言葉
宇宙を目指すかけがえのない仲間
生と死の境界線−宇宙に行くということ
夢
コラム1 油井画伯☆展覧会
コラム2 宇宙飛行士訓練〜ISSに行くまでの道筋〜
【著者紹介】
JAXA宇宙飛行士 油井亀美也(ゆい・きみや)
1970年長野県生まれ。長野県野沢北高等学校から防衛大学校へ。1992年3月に防衛大学校理工学専攻を卒業、航空自衛隊へ入隊。F-15戦闘機のパイロットとして飛行任務に携わった後、テストパイロットとして活躍。2009年2月、宇宙航空開発機構(JAXA)宇宙飛行士候補者に選抜。2011年7月、基礎訓練を終了しJAXA宇宙飛行士に認定。2015年7月23日(日本時間)にソユーズ宇宙船で宇宙へと飛び立ち、国際宇宙ステーション第44次/第45次長期滞在クルーとして約142日間宇宙に滞在し同年12月11日帰還。2019年現在、米国において次なるミッションのために訓練を受けている。
林公代(はやし・きみよ)(取材・文)
神戸大学文学部英文米科卒。サンケイリビング新聞社、日本宇宙少年団情報誌編集長を経て2000年からフリーライターに。約20年にわたって宇宙飛行士へのインタビュー、NASA、ロシア、日本等でロケット打ち上げ、宇宙関連施設や関係者への取材・執筆を続けている。歴代の宇宙飛行士との共著も多い"宇宙ライター"として知られる。著書に『宇宙就職案内』(ちくまプリマー新書、2012年)、『宇宙へ「出張」してきます』(古川聡宇宙飛行士らと共著、毎日新聞社、2012年)、『宇宙においでよ!』(野口聡一宇宙飛行士と共著、講談社、2018年)など。
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)(こくりつけんきゅうかいはつほうじん・うちゅうこうくうけんきゅうかいはつきこう)
2003年に、宇宙科学研究所(ISAS)、航空宇宙技術研究所(NAL)、宇宙開発事業団(NASDA)がひとつになり、宇宙航空分野の基礎研究から開発・利用に至るまで一貫して行うことのできる機関として誕生。人類の平和と幸福のために役立てるよう、宇宙・航空が持つ大きな可能性を追求し、さまざまな研究開発に挑んでいる。