健康経営とは、「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる」との基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することを意味しています。(特定非営利法人健康経営研究会WEBサイトより)
働き方改革関連法の施行によって、時短勤務や残業規制、テレワークなど働きやすい環境への取り組みは広がりました。ただ、根幹である従業員各人の「生産性や創造性の向上」のための「健康づくり」という点では、中々取り組みをできていない企業もまだ数多く存在すると思います。
生産性向上への取り組みが十分でない状態で単純に時短勤務、残業規制をすることは、「時短ハラスメント」という言葉もあるとおり、従業員のスキルアップへの意欲を削いだり、逆に限られた時間で業務を行わなければならないプレッシャーからストレスを高める要因ともなり得ます。
このような労働市場下において、今注目を集めているトピックが、本書のテーマでもある「健康経営」です。就活生や親のみならず、現役のビジネスパーソンも、その会社が従業員の健康をどれだけ考えてくれているかということをよく見ています。健康経営をうまく取り入れている企業に人材が流れる傾向も見え始めており、いよいよ健康経営が企業にとって不可欠な時代になろうとしています。本書では、「健康経営」に積極的に取り組む11社の取り組みを実例で紹介します。
企業研究をしている学生さんはぜひいい企業を探す参考にしてみてください。また、なにかいい経営の方法を探している企業の方も、健康経営が気になっているが、なかなか取り組めていない企業の方も参考にしていただきたい1冊です。
《もくじ》
健康経営企業とは、何より社員を大切に思う会社だ。
2020年、「健康経営」の現在地! 健康経営推進企業11社の取り組み内容を詳しく紹介!
【巻頭企画】なぜ今、健康経営なのか
―就活生は会社のネームバリューよりも「健康」を重視
―健康経営とは何か
―働き方改革と健康経営はどう違うのか
―健康経営企業には国からの「お墨付き」も
―中小企業は半分以上が「知らない」
―健康経営を推進する企業のメリット
―健康投資のリターンは3倍に
―超高齢化時代のワーク・ライフ・ソーシャル・バランス
―労働生産性の低さをどう克服するか
―日本人は頑張りすぎ? 増え続けるメンタル疾患者
―メンタルヘルス対策としての「傾聴」
―悪循環スパイラルとその断ち切り方
―経営者自らが健康経営戦略を語れるか
―日本の健康経営をグローバルスタンダードにするチャンス
【特集➊ 株式会社タニタ】
―タニタの健康経営に迫る‼
【日本オラクル株式会社】
―全ては、社員が生み出す業務成果の最大化のためにグローバルな視点から「柔軟な働き方」を実現
【株式会社 オカムラ】
―誰もが健康に働き続けることができるオフィスや環境づくりが、私たちの使命
【トーテックアメニティ株式会社】
―どんなことをしてもらったら嬉しいか どんな制度があったら喜んでもらえるか 徹底した「社員目線」での健康経営
【特集❷ 株式会社 ベネフィット・ワン】
―ベネフィット・ワンが語る日本企業の福利厚生と健康経営
【ENEOS株式会社】
―「安全・環境・健康」を大切にしたい価値観に掲げ、健康経営を推進
【株式会社ディマージシェア】
―働きがいと働きやすさを両立し、事業成長/収益向上に直接寄与する健康経営を目指す
【江崎グリコ株式会社】
―「おいしさと健康」で豊かな食文化といきいきとした生活づくりに貢献する
【コラム】
―ビジネスパーソンのための疲労回復専用ジムZERO GYMプログラムディレクターが見た「現場の健康経営」
【特集❸】株式会社 エムティーアイ
―エムティーアイが進めるICT×健康経営の最前線
東京建物グループ
―世紀を超えた信頼を誇りとし企業の発展と豊かな社会づくりに挑戦する
ヤマトシステム開発株式会社
―保健師と一体となって取り組む生活習慣の見直しとメンタルヘルス対策
クロスメディアグループの経営と人事をテーマにした研究機関として、調査・研究からビジネス書の執筆、採用支援、人材育成の支援まで幅広いサポートを行っている。
また、「メディアを通じて人と企業の成長に寄与する」をミッションとし、編集とデザイン、マーケティングチームが一体となり、現場の課題を解決するためのソリューションを提供している。提案で終わりではなく、様々なメディアやツールを提供することで課題解決する実践力は高い評価を得ている。
1979年早稲田大学政経学部卒。モービル石油入社後、コーネル大学で人事組織論を学び、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院でMBA取得。1990年日本ペプシコ入社。AOL、シスコシステムズ、ネットエイジを経て、2003年(株)ライフバランスマネジメント設立。職場のメンタルヘルス・コミュニケーション対策の第一人者であり、講演・企業研修・コンサルティング・教育・メディア等における多数の実績を持つ。『メンタルタフネス経営』『折れない心をつくる シンプルな習慣』『折れやすい部下の叱り方』(日本経済新聞出版社)、『はたらく人のコンディショニング事典』『人が集まる職場 人が逃げる職場』(クロスメディア・パブリッシング)ほか著書・監修書多数。
株式会社クロスメディア・パブリッシングは、2005年の設立以降、ビジネス書を中心に全国主要書店の売上ランキングにあがるベストセラー書を数多く出版しています。「あらゆるメディアを通じて、働く人々の問題解決をする」という理念のもと、電子書籍やWebサービスなどにも積極的に取り組んでいる会社です。
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