読むべき本、見逃していない?

銀行法というラビリンスへの招待

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  • 書名 銀行法
  • 監修・編集・著者名池田 唯一・中島 淳一[監修]
    佐藤 則夫[編著]
    本間 晶・笠原 基和・冨永 剛晴・波多野 恵亮[著]
  • 出版社名一般社団法人金融財政事情研究会
  • 出版年月日2017年11月22日
  • 定価本体7,000円+税
  • 判型・ページ数A5判・上製・564ページ
  • ISBN9784322132250
  • CコードC2032

銀行法の存在理由

銀行法とは銀行という金融業者を規制するための法律だが、世の中には「自動車製造業法」「鉄鋼業法」「ソフトウェア開発業法」といったものは存在しない。なぜ銀行には銀行法があるのだろうか。

こうした問いかけはかなり根源的であって、ひょっとしたら銀行にとって銀行法があるのは当たり前ではないかもしれない。銀行が営む業務は多岐にわたっていて、いまでは投信販売などの証券仲介業務も行っており、これについては金融商品取引法の適用を受ける。これと同様に、預金の受入れ、資金の貸付け、為替といった銀行の固有業務と呼ばれる業務についても当該業務を規制する法律を別途作り、銀行以外の事業者も当該業務に参入できるようにして、銀行だけではなく、当該事業を営む者全般を規制するという行き方のほうが合理的かもしれない。

しかし、銀行法は、預金の受入れと資金の貸付けを併せ営む者、または為替取引を業とする者を銀行と定義している。預金の受入れと資金の貸付けを併せて営むとは信用創造(貸したお金が預金となって再び貸付けの原資となること)を意味し、こうした機能を営む企業はやはり特殊な規制を受けざるをえないという意見もあるだろう。信用創造とはマネーを無から作り出すという意味で、国家と同様の機能をはたしている。そのような企業が一般事業に進出するのはやはり問題であって、銀行法で(いまではずいぶん広がったと言っても)厳格な他業禁止規制をかける必要があるというわけだ。

忙しいビジネスマンにも最適

こうした議論が今後、金融審議会で展開されると見られる。しかし、根源的な議論を始める前に、その出発点として現在を銀行法の姿を正確につかんでおくことが必要だろう。銀行法の規制内容は、①銀行の健全性を確保するための規制、②預金者など銀行の顧客を保護するための規制、③銀行の業務範囲を画するための規制などに大別することができるが、銀行法の条文を読んだだけで、その意味をつかむことはほとんど不可能である。

①は自己資本比率規制や大口信用供与規制に代表されるが、バーゼル銀行監督委員会を中心とした国際的な規制動向の影響を受け、その具体的内容は「金融庁長官告示」によって示される。②は仕組預金の販売規制に代表されるが、その具体的な内容は金融商品取引法の準用という形で示されている。③は銀行法本体で規定されているが、金融業態間での歴史的な縄張り争いや、子会社や持株会社を活用したグループでのビジネス展開が盛んになった影響を受けて、きわめて複雑な条文構造、書きぶりになっている。

本書は銀行法のラビリンス(迷宮)に入ろうとする人にとって、最適な道しるべとなる。各条文・制度の趣旨(存在理由)が簡潔に記され、複雑な条文の読み方が明らかにされる。また、銀行法の条文とその具体的な内容を規定する金融商品取引法などの他の法律、銀行法施行令、銀行法施行規則、金融庁告示、監督指針などの下位法令との対応関係が示されている。本書を参照しながら関連法令の条文を読むことにより、読む人の頭の中にさまざまな条文の間の関係とともに規制の細部が浮かび上がるように工夫されている。法律を商売にする法曹関係者だけではなく、銀行法に知的な関心を持つ人、商売上、銀行規制とつきあわざるをえないビジネスマンにも本書を薦めたい。

◆主要目次
第1編 総  論
第1章 銀行法の意義と沿革
第2章 近年の銀行法改正の概要
第2編 各  論
第1章 銀行法の目的
第2章 総  則
第3章 業務の範囲
第4章 業務等に関する規制
第5章 大口信用供与等規制
第6章 アームズレングス・ルール
第7章 虚偽告知等の禁止
第8章 利益相反管理体制の整備
第9章 特定預金等契約に対する金融商品取引法の準用
第10章 取締役等に対する信用供与に関する規制
第11章 自己資本比率基準
第12章 営業時間等に関する規制
第13章 子会社業務範囲規制
第14章 銀行グループの経営管理
第15章 議決権の取得等の制限(5%ルール)
第16章 経理およびディスクロージャー
第17章 監  督
第18章 合併等、廃業および解散
第19章 外国銀行支店
第20章 外国銀行代理業務に関する特則
第21章 株  主
第22章 銀行持株会社
第23章 銀行代理業
第24章 ADR制度(裁判外紛争解決制度)
第25章 雑  則
第26章 罰  則 補遺(平成29年銀行法改正)

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一般社団法人金融財政事情研究会

金融財政事情研究会は、1950年、故福田赳夫元総理大臣が中心となり、大蔵省(現財務省)所管の社団法人として設立されました。その後、金融庁主管、財務省・文部科学省共管の公益法人を経て、2011年4 月に一般社団法人へ移行しました。当会は、伝統と信頼に裏打ちされた質の高い情報を発信しつづける雑誌・書籍事業、先進性と専門性を追求するセミナー・研修・検定事業を通じ、広く社会に貢献して参ります。

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