読むべき本、見逃していない?

マイナス金利時代に保険会社はどのように生き残るのか

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  • 書名 経済価値ベースの保険ERMの本質
  • 監修・編集・著者名森本祐司・松平直之・植村信保[著]
  • 出版社名一般社団法人金融財政事情研究会
  • 出版年月日2017年11月 9日
  • 定価本体3,000円+税
  • 判型・ページ数A5判・並製・304ページ
  • ISBN9784322132137
  • CコードC2033

保険会社とは、多くの人々(契約者)から保険料を集め、契約者の集団のなかで保険金支払いが必要となるような事故が生じた場合に備えて、集めた資金をできるだけ有利に運用することを生業(なりわい)とする存在である。したがって、保険金の支払い見込み額と資産運用益が保険料とバランスするように保険料を設定する必要がある。資産運用益が保険料設定時に見込んだ水準に満たなかった場合、保険会社は自己資本を取り崩して保険契約者に対する義務を履行しなければならない。

日本の生命保険業界では1990年代から2000年代にかけて、このリスクが発現した。1980年代後半のバブル崩壊、経済の低迷によって金利が予想外に低下し続け、当初見込んだ資産運用益が得られなくなった(「逆ザヤ問題」)ために、いくつかの生命保険会社が破綻した。大手生保では予定利率の高い契約が満期を迎えるとともに「逆ザヤ問題」は解消していったが、日本経済の低迷は続き、マイナス金利政策が導入されることによって、保険業界全体が資産運用や商品設計のあり方を見直す必要に迫られている。

ERM(Enterprise Risk Management)とは、こうした問題意識のもとに導入の必要性が叫ばれるようになったリスク管理の手法である。とくに保険会社では現金ベースで年間の収入(保険料収入)と支出(保険金支払い)の差額を把握するだけでは財務の実態を明らかすることはとうていできず、契約期間にわたって予想される収入と支出を現在価値に引き直す「経済価値ベース」での管理が必要となる。そこでは数学的な手法やシミュレーションが用いられるが、保険会社の経営の本質はそこにある。

著者は、保険会社における経済価値ベースでのリスク管理の重要性をいち早く主張してきた日本の第一人者である。本書では、保険会社の経営を経済価値ベースで捉えるとはどういうことなのかを基礎から説明するとともに、現在の保険会社における商品開発や資産運用に関する実務にはどのような問題があるのかを明らかにし、解決の方向性を論じている。保険ERMに関する書物はいくつか出版されているが、本書はまさに決定版であり、もはやその内容を踏まえずして保険会社の経営を語ることはできない。

◆主要目次
第1章 経済価値ベースのERM:この10年間の振り返り
第1節 金融庁の検討チーム報告書から10年
第2節 その後の市場の混乱がもたらした影響
第3節 経済価値ベースのERMおよび関連動向の進展
第4節 マイナス金利政策による影響
●付録 IAISストラクチャー・ペーパーの概要(保険会社の健全性評価のための共通の構造)
第2章 ERMの枠組みと考え方
第1節 ERMとは何か
第2節 ERMの全体像とPDCAサイクル
第3節 ERMのガバナンス
第4節 リスクアペタイト
第5節 ERMのカルチャー
第6節 ERMと個別分野との関係
第7節 ERMと健全性規制の関係
第3章 経済価値ベースのERMの考え方(準備編)
第1節 金利と価値評価の基礎
第2節 経済価値ベースの保険負債評価
第3節 経済価値ベースの管理とは
第4節 経済価値ベースのリスク計測
第5節 経済価値ベースの管理と財務会計上の損益
第6節 経済価値ベースのERMの関連動向
第4章 経済価値ベースのERMの考え方(実践編)
第1節 経済価値ベースで管理をする意味
第2節 経済価値ベースの指標の使用方法
第3節 経済価値ベースのERMで考慮すべき保険負債の特性
第4節 経済価値ベースのERMにおける実務上の論点
第5章 経済価値ベースのERMの意義をあらためて考える
第1節 この15年間の市場環境と保険会社の動向
第2節 経済価値ベースのERMへの「疑問」とその背景
第3節 経営指標の不安定性にいかに向き合うか
第4節 商品性に関する議論
第5節 プロシクリカリティと経済価値
第6節 終わりに:経済価値ベースのERMがもたらすもの

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一般社団法人金融財政事情研究会

金融財政事情研究会は、1950年、故福田赳夫元総理大臣が中心となり、大蔵省(現財務省)所管の社団法人として設立されました。その後、金融庁主管、財務省・文部科学省共管の公益法人を経て、2011年4 月に一般社団法人へ移行しました。当会は、伝統と信頼に裏打ちされた質の高い情報を発信しつづける雑誌・書籍事業、先進性と専門性を追求するセミナー・研修・検定事業を通じ、広く社会に貢献して参ります。

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