「リスクのある金融商品の販売が苦手なんです」
金融機関窓口には、こんな悩みを抱える人は珍しくありません。
買ってもらった投信が順調に値上がりして、 お客さまに「あなたが薦めてくれたおかげよ」と喜んでもらえるのは、 バンカー冥利に尽きる嬉しい瞬間です。けれども、逆にお客さまに損をさせた記憶を引きずり、 「もし、またお客さまをがっかりさせたら、どうしよう」という不安ばかりが先に立つようなら、 適切な資産形成方法をアドバイスすることはできません。
本書は、そんな金融機関職員や、 「長期分散投資が必要なことはわかっているけど、 値下がりで元も子もなくす大損はしたくない」と怯えるお客さまに、 投資への勇気を与えてくれる一冊です。
本書がススメる資産形成法は、書名どおり積立投資。「なんだ、そんなことか」と侮るなかれ。「積立投資の伝道師」を自称する著者が、セミナー講師風の語り口でわかりやく説明する本書を一読すれば、値下がりのニュースが〔悲報〕ではなく、〔朗報〕に聞こえてくるかもしれません。
といっても、必ず儲かる銘柄や売買のタイミングをこっそり教えてくれるトンデモ本でありません。 むしろ、そんな日々の価格の上昇・下落に一喜一憂、 ドキドキ感にささくれる投資家の心を癒やしてくれる安心・堅実、資産形成術です。
ちなみに積立投資は、アメリカでは世帯の約6割、イギリスでは勤労世帯の約半数が実践する一方で、日本ではわずか3%程度しか使われていないそうです。財形や積立貯蓄の経験がある日本人に向いているように思えるのに、不思議ですね。
金融専門出版社の本ですから、金融機関の営業担当者、ファイナンシャル・プランナー、 NISAの投資教育担当者が読者対象ですが、投資の入門書として一般の方々も「ゼロからわかる」内容になっています。投資に慣れた方も、「知人・友人・同僚に広めたくなる、堅実投資の理屈」(著者)を確認してみてはいかがでしょうか。
《目次》
第1章 積立投資を推進する6つのメリット
第2章 「値下がり安心」効果の説明方法
第3章 「リバウンド」効果の説明方法
第4章 積立投資の鉄則
第5章 「値上がり」効果の説明方法
第6章 「タイミングフリー」効果の説明方法
第7章 積立投資の見直しのポイント
第8章 積立投資の特徴を生かした変額保険(平準払い)
第9章 積立投資への取組みと成功例
第10章 積立投資が日本を救う
付 録 積立投資営業の応酬話法(FAQ)
【コラム】大口の提案が可能
【巻末資料】各値動きグラフの成績表
金融財政事情研究会は、1950年、故福田赳夫元総理大臣が中心となり、大蔵省(現財務省)所管の社団法人として設立されました。その後、金融庁主管、財務省・文部科学省共管の公益法人を経て、2011年4 月に一般社団法人へ移行しました。当会は、伝統と信頼に裏打ちされた質の高い情報を発信しつづける雑誌・書籍事業、先進性と専門性を追求するセミナー・研修・検定事業を通じ、広く社会に貢献して参ります。
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