本書の著者である鮫島正洋弁護士は、大学で工学を履修し、外資系企業で知財実務と戦略のイロハを学んだ後に、弁護士となりました。
当時法曹界では、「弁護士は法律の専門家であって、専門外のビジネスに口出すことはご法度」といったような考え方が存在していたようで、企業に勤めていた頃とは180度異なる考え方に、鮫島弁護士は違和感を感じていたそうです。
最初の訴訟事務所では、思うように自分の力を発揮できませんでした。
当時の鮫島弁護士は下記のようなことを考えていたそうです。
「訴訟をすることが、お客様にとってどれほど価値があるのだろう。お客様は真に望んで訴訟に至ったのだろうか。訴訟に至る過程で、お互いにWinWinになるような解決方法はなかったのか。そして、我々弁護士は、ただ言われるままに提訴するのではなく、もう少しビジネス的な視点で紛争全体を見渡し、そのような解決を提案する存在であるべきではないのだろうか。」
その後、ビジネス的な法律業務を行っている事務所に移り、自らの信じる知財関連業務を展開することができた鮫島弁護士は、「技術法務」という道を見出します。
<技術法務とは>
①技術を付加価値として事業を展開する事業体が、
②その事業を遂行するに当たって直面する様々な問題について、
③法務・知財をボーダレスに駆使するとともに、
単に法的・知財的な視点のみならず、ビジネス的な視点から、
④当該事業体の経営者と議論し、アドバイスし、
⑤その事業の競争力を向上させるべく行う法律的な業務
実は、この鮫島弁護士は、「下町ロケット」の主人公・佃航平が経営する佃製作所の救世主である凄腕弁護士・神谷修一のモデルになった人でもあります。
本書には、鮫島弁護士が信念を貫いて築き上げた「技術法務」のノウハウが惜しみなく詰まっています。
是非本書を読んで、第二・第三の神谷修一を目指してみてはいかがでしょうか。
【目次】
第1章 技術法務のススメ
第2章 知財戦略を実現する
第1 知財戦略 セオリ編
第2 知財マネジメント プラクティス編
第3章 勝つ! リーガル・プラクティス
第1 実践的契約書の起案法
第2 特許ライセンス契約
第3 秘密保持契約
第4 共同開発契約
第5 共同出願契約
第6 ソフトウェアライセンス契約
第7 ソフトウェア開発委託契約
第4章 技術法務の真髄
この本に関する特集ページは
こちらです。
https://books.j-cast.com/feature/kajo201806.html
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