読むべき本、見逃していない?

難しい依頼者と出会っても、冷静さや余裕の笑みを保ち、有能な弁護士として行動するには?

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  • 書名 難しい依頼者と出会った法律家へ
  • サブタイトルパーソナリティ障害の理解と支援
  • 監修・編集・著者名岡田裕子 編著
  • 出版社名日本加除出版
  • 出版年月日2018年2月26日
  • 定価本体2,300円+税
  • 判型・ページ数A5判・252頁
  • ISBN9784817844576
  • 備考2032
近年、難しい依頼者に振り回される弁護士が増えているらしい。
本書の著者である岡田裕子先生(臨床心理士・元弁護士)は、その一因が近年の弁護士の増加に伴う地位の低下にあると考え、本書のなかでこう語っています。

私は、弁護士の地位が相対的に低下したことが、弁護士と依頼者との力関係のバランスの変化を帰結し、さらにそのことが、難しい依頼者の増加に関連しているのではないかと思っています。すなわち、弁護士の力が相対的に強く、権威者として無条件の尊敬を受けうるような立場にいた時代には、どんなパーソナリティの依頼者であれ、弁護士に対して従順な態度をとることが多かったと思われます。言葉を変えれば、弁護士と依頼者の役割構造が明確だったのです。しかし弁護士の地位が低下し、依頼者との力関係が前よりも対等に近くなってきた現在、依頼者と弁護士の役割は不明確で曖昧なものになっています。


続けて著者は、弁護士と依頼者の力関係が対等に近くなったこと自体については、"弁護士がより身近な存在となった"とポジティブに受け止めつつ、しかし、パーソナリティ障害の依頼者にとっては、そういった不明確な関係は"苦手な関係性"であると述べています。

パーソナリティ障害の人は役割構造が不明確・曖昧な対人関係に投げ込まれると、自分のなかのイメージを他者に投影しやすく、それをもとに疑惑や不安に陥りやすいという特徴を持っています。権威者である弁護士との間の明確な役割のある関係ではなく、家族や恋人や友人など身近な関係に近くなれば、パーソナリティ障害の依頼者は様々なイメージをそこに投影して、不安や怒りにかられたり、要求がましくなったりしやすくなります。つまり、その生来の難しい性格特徴を弁護士との関係でも発揮しやすくなるのです。


そんな難しい依頼者は、弁護士を否が応でも情緒的関係に巻き込み、弁護士自身の感情を強く刺激し、感情的ストレスを生じさせます。
難しい依頼者と対峙しても、冷静さや余裕の笑みを保ち、有能な弁護士として行動するにはどうすれば良いのでしょうか。

何より重要なことは、「難しい依頼者」こそ、弁護士の援助を必要としているということです。彼らの難しさは弁護士だけが感じるものではなく、家族、友人、上司や同僚、隣人など、周りの人が一様に感じている可能性が高いのです。なぜなら、その難しさは彼らのパーソナリティに起因しており、人生を通じて似たパターンが繰り返されているからです。それゆえ彼らの人生は、身近な他者との愛憎のもつれ、対立、別離の繰り返しであり、その一部が法的紛争化して弁護士のもとに来ていると考えられます。しかも弁護士にすら愛想をつかされ、「この弁護士で○人目」と弁護士と渡り歩いていることも少なくありません。


本書は、難しい依頼者を弁護士が積極的に引き受け、適切に対応することによって、難しい依頼者の権利を守っていくことを目的として、パーソナリティ障害の理論を用いた理解と対応法を伝えようするものです。

昔のように弁護士が依頼者を選ぶ余裕はない時代が到来しています。「冷静で、合理的判断ができて、弁護士費用をきちんと払ってくれそうな依頼者でなければ受任しない」などと言っていては食べていけません。
是非本書を読んで、「難しい依頼者」の事件を引き受け、関係がこじれることなく依頼者の満足のいく解決を得て、顧客層を広げてみてはいかがでしょうか。
また、本書は弁護士を主人公としていますが、司法書士や行政書士、事務職員の方々にも参考となるはずです。

【第I部難しい依頼者をどう理解するか】
第1章 難しい依頼者とパーソナリティ障害
1 難しい依頼者
2 難しい依頼者とパーソナリティ障害
3 パーソナリティ障害とは
4 パーソナリティ障害の原因

第2章 難しい依頼者の見立て
1 関係性がこじれないための見立ての必要性
2 パーソナリティ障害についての知識の有用性
3 パーソナリティ障害の「診断」の難しさ
4 弁護士がパーソナリティ障害を「見立てる」ことの意味
5 依頼者のパーソナリティの見立て方(アセスメント)

【第II部パーソナリティ障害の類型と対応法】
第1章 情緒不安定な当事者(境界性パーソナリティ障害)
1 Introduction 情緒と対人関係の嵐に巻き込まれる
2 境界性パーソナリティ障害の特徴
3 境界性パーソナリティ障害の原因
 事例 激情にかられたストーカー事件
4 弁護士にとっての難しさと対応法

第2章 高飛車な態度をとる依頼者(自己愛性パーソナリティ障害)
1 Introduction 健全な自己愛と病的な自己愛
2 自己愛性パーソナリティ障害の特徴
3 自己愛性パーソナリティ障害の原因とこころの動き
4 弁護士にとっての難しさと対応法

第3章  他者を欺き利用する依頼者(反社会性パーソナリティ障害)
1 Introduction 良心の痛みなく他者を傷つける人々
2 反社会性パーソナリティ障害の特徴
3 反社会性パーソナリティ障害の原因とこころの動き
 事例 自己中心的な被疑者の刑事弁護
4 弁護士にとっての難しさと対応法

第4 章  魅惑的だが不可解な依頼者(演技性パーソナリティ障害)
1 Introduction 他者を魅了したい人々
2 演技性パーソナリティ障害/ヒステリー性格の特徴
3 演技性パーソナリティ障害/ヒステリー性格の原因とこころの動き
 事例 魅力的なエステティシャンの自己破産事件
4 弁護士にとっての難しさと対応

第5章 猜疑心の強い依頼者(妄想性パーソナリティ障害)
1 Introduction 疑い深く「好訴的」な人々
2 妄想性パーソナリティ障害の特徴
3 妄想性パーソナリティ障害の原因とこころの動き
4 弁護士にとっての難しさと対応法

第6章  ひとりでは何もできない依頼者(依存性パーソナリティ障害)
1 Introduction 頼りすぎる人々
2 依存性パーソナリティ障害の特徴
3 依存性パーソナリティ障害の原因とこころの動き
 事例 頼りすぎる主婦の離婚事件
4 弁護士にとっての難しさと対応法

第7章 パーソナリティ障害以外の精神疾患による難しい依頼者
1 荒唐無稽な妄想について ─統合失調症の可能性
2 精神疾患を自称したとき
3 嘘をついている場合 ─演技性パーソナリティ障害・反社会性パーソナリティ障害の可能性
4 記憶が不明確な場合
5 注意力・集中力に問題がある場合 ─注意欠陥多動性障害の可能性
6 決断できない場合
7 コミュニケーションが難しい場合─発達障害/自閉症スペクトラム障害の可能性

第8章 対応法のまとめ
1 弁護士─依頼者関係の特徴
2 対応法の共通原則
3 他の専門職との連携
【第III部精神医学の専門的見地からのパーソナリティ障害の解説】
パーソナリティ障害の基礎知識とそれとの関わり方
1 はじめに
2 パーソナリティ障害の基本的な特性
3 パーソナリティ障害概念の発展過程
4 現在のパーソナリティ障害の概念・定義
5 パーソナリティ障害の疫学
6 パーソナリティ障害の病態・病因の理解
7 パーソナリティ障害の治療
8 パーソナリティ障害の予後
9 パーソナリティ障害の問題の性質とその対応
10 おわりに

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