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書名
『スマイルズという会社を人類学する』
- サブタイトル「全体的な個人」がつなぐ組織のあり方
- 監修・編集・著者名小田亮・熊田陽子・阿部朋恒 著
(株)スマイルズ 協力
- 出版社名弘文堂
- 定価本体2000円+税
- 判型・ページ数四六判・並製・272ページ
- ISBN9784335450631
- CコードC1034
「マーケティングはしない」「利益や拡大は目的にならない」「ルールやマニュアルもない」...これ、すべてスマイルズの経営方針です。
スマイルズといえば、2000年、三菱商事初の社内ベンチャー企業として遠山正道氏により設立され、現在ではSoup Stock Tokyoをはじめ、セレクトリサイクルショップのPASS THE BATON、ネクタイブランドのgiraffe、ファミリーレストランの100本のスプーンなど、注目業態の生みの親として知られています。
本書はそんな会社、スマイルズで4名の人類学者がフィールドワークを行った、その報告書です。時には一緒に働き、時には経営会議で席を並べながら、スマイルズで働く社員の方々に約1年間にわたって聞き取り調査を行いました。マーケティングや経営学の言葉では語りつくせないスマイルズという会社を、一つの村に見たて、人類学の目を通して描いたとき、見えてきたのは行き詰まり始めた資本主義を自由に生きる会社と、未来型組織のあり方でした。
【目次】
序章 スマイルズは「普通の会社」ではない?
1 フィールドワークという方法
2 スマイルズはポストモダン?
3 会社組織のモダン/ポストモダン
4 システムとネットワークは共存している
5 人類史の中のネットワークとシステム
6 ネットワークは設計できない
第1章 「全体的な個人」が/をつくるネットワーク
1 共有されている理念とネットワーク型組織
2 分業のない会社――「全体的な個人」ということ
3 「実業 < 妄想」という二重構造
第2章 スマイルズはビジネス・モデルにならない
1 数字は目的にならない
2 マーケティングはしない
3 「スマイルズさん」という人格
第3章 スマイルズにいる人たち
1 はじめに
2 「いい人」の強み
3 Soup Stock Tokyoの誠実さ
4 Soup Stock Tokyoのファンとなる客と女性社員
5 仕事における「遊び」
6 「やりたいこと」発掘から「共感」へ
7 中途採用者の語りから見えるスマイルズの特徴
8 感情労働の議論から
9 トイレットという空間
10 おわりに
コラム 「100本のスプーン FUTAKOTAMAGAWA」体験記
終章 資本主義システムの中で、「会社で働く」ということ
1 新しい資本主義とポストモダン思想
2 資本主義の「時間」の変化
3 幸福感と「かけがえのなさ」「安定・安心」
4 逃避の場所
5 システムに巣食うこと――小商い・職人・スマイルズ
6 「半」と「雑」の思想
対談 遠山正道(スマイルズ代表取締役社長)×小田亮(文化人類学者)
おわりに スマイルズの中の人――野崎亙(スマイルズ取締役)の場合
株式会社弘文堂
法律および人文・社会科学分野の書籍を発行しています。 とりわけ法律の分野では定評をいただいており、「弘文堂プレップ法学」など入門書から、 基本書として「法律学講座双書」「法律学講義シリーズ」、さらに論文集を多数出版し、 その出版活動は法律学全般を覆っています。最近では、「伊藤真シリーズ」 「新・論点講義シリーズ」「ケースブックシリーズ」「演習ノートシリーズ」 「判例ノートシリーズ」などを鋭意刊行中です。 人文・社会の領域では、下記の分野に意欲的に取り組んでいます。 1) 社会学、海外事情 2) 歴史学、人類学・民俗学、宗教学 3) 哲学・思想、精神医学・心理学 4) 経済・経営 5) 医療・介護・福祉 6) 資格試験
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