UMAという単語をご存知だろうか。「Unidentified Mysterious Animal」の略で、日本語に訳すと「未確認生物」となる。
一度は耳にしたことがある名前だが、実際に存在が確認されていない。そんな生き物がUMAなのだ。
■日本の代表的UMA「ツチノコ」
日本で代表的なUMAといえば、ツチノコだろう。ツチノコを知らない方のために簡単に解説すると、ビール瓶ほどの胴回りの蛇だ。全長は30~80cmほど。
このツチノコは、日本全国で目撃例があるものの、実際に捕獲されたことはない。まさに伝説の蛇、UMAなのだ。
このツチノコの正体についてはいくつかの説がある。卵や餌を飲み込んだ状態のアオダイショウ、妊娠中の蛇、太めの胴を持つヤマガカシの見間違い、オーストラリアから1970年代に日本に輸入されたアオジタトカゲ……。諸説あるものの、確証はない。
ツチノコの正体はまだわからない。ということは、ツチノコがいるという可能性はゼロではない。可能性が1%でもあるということは、ツチノコは存在するはずだ! 僕はそう思っている。
■台湾にもツチノコがいた!?
実は、ツチノコの目撃例は日本だけではない。台湾でも目撃され、写真に収められている。その正体については、
『[超保存版]UMA完全ファイル』(飛鳥昭雄・著/ヒカルランド・刊)では、トカゲの一種ではないかと記されている
手脚があるかないかの区分けは当てにならない。なぜなら脚のないトカゲが、中央部アジルのセラード地域のサバンナやアマゾン川近辺に生息し、これまでに14種類も見つかっているからだ。(中略)蛇とトカゲの違いは何かというと、蛇にはまぶたがないが、トカゲにはあるという点だろう。それから、耳の穴は蛇にはないがトカゲにはある。
(『[超保存版]UMA完全ファイル』より引用)
台湾で写真に収められたツチノコとされるものは、まぶたと耳の穴が確認できる。そのため。台湾のツチノコはトカゲの一種なのだろう。やはり、ツチノコは日本にしかいないのだ!
■ツチノコロマンは未だ熱冷めやらず
ツチノコがブームになったのは、1970年代。テレビで取り上げられたりマンガになったりと、ツチノコが注目されることとなった。
これに伴い、各自治体などでツチノコ捕獲キャンペーンを開始。捕獲した人には懸賞金を出すという自治体が続々と現れたのだ。
実は、このツチノコ捕獲の懸賞金制度はまだ残っている。新潟県糸魚川市では生存捕獲で1億円、写真提供で10万~100万円、岡山県赤磐市は生存捕獲で2015万円、岐阜県東白川村では100万円+αなどなど。現在も町おこし・村おこしの一環としてツチノコ捕獲を目論んでいる自治体がある。
目撃情報も寄せられているようで、21世紀になってもツチノコは追い求められているのだ。
見つけてもそっとしておいてあげようよ
実際にツチノコがいるかどうかはわからないが、今でもツチノコを探している人たちがいるのはわかった。
仮にツチノコがいたとしよう。そして、それを山奥などで見かけたとしよう。だけど、捕獲するのはやめたほうがいいのではないだろうか。
ツチノコにはツチノコの生活があるだろう。長い間その姿が確認できないのも、ひっそりと生きていきたいからではないだろうか。
ツチノコにだって家族がいるかもしれない。もしツチノコを捕獲した場合、その奥さんや子どもが「今日はお父さん遅いねー」「も、もしかしたらパパ……。あなた、あなたー!!!」などという会話が繰り広げられていたらと思うと、胸が痛む。
ツチノコの姿が確認できたとしても、写真を撮る程度にしておいたらどうだろうか。
UMAにはUMAでいる理由があるはず。もし自分がツチノコだったら、今までひっそり暮らしてきたのだから、これからもひっそり暮らしていきたいと思うはずだ。
そんなUMAの気持ちを汲んで、もし見つけてもそっとしておいてあげる。それが人間がUMAにできる、唯一のことなのではないだろうか。
(文:三浦一紀)
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