「笑えんと、ダメやから」
鈴橋加織の笑いへのこだわりは凄まじい。
ベースにあるのは「老人ホームのさまざまなことを、看護師や介護士に、そして入居者の家族にもわかってもらいたい」というもの。その手段として鈴橋は「笑えるマンガ」を選んだ。
読者からは「こんなに笑ったのは初めて」といった手紙が舞い込む。鈴橋さんのような看護師のいるホームに入りたい。鈴橋さんが好き。鈴橋さんに泣きました。鈴橋さんのような人に私の親を預けたい。鈴橋さんにギューと抱きしめられた気になった。もっと長生きしてみようと思った。
否応無しに万人におとずれる老い。それが悲壮なものであっていいはずはない。しかし、介護する側、される側の現実というものは、重く深い。だからこそ笑いながら気づいて欲しいことがたくさんある。
現役の看護師、鈴橋加織が描いたマンガ『今日も私は、老人ホームの看護師です』の②巻が刊行となった。
広告などではとても見えない赤裸裸な老人ホームの日常が、編み込まれている。
本文敬称略
木村浩一郎
『今日も私は、老人ホームの看護師です②』を
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