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「ネットが社会を破壊する」を書店人はこう読む

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    インターネットは、社会の外にあって、社会と対峙・対立しているわけではない。今や、ネットは社会の不可欠な一部である。ネットと社会は、「ネットが社会を破壊する」からと言って、相互に排除し合うわけには、もはや、いかないのだ。必要なのは、ネットが社会に望ましくない変容をもたらしている事実を認識し、その原因を知ることだ、と高田は言う。

  ネットが与える情報は、テレビ同様、低品位かつ散漫である。それゆえネットは、マクルーハンがいう「クール」なメディアであり、それに触れる人々を、「巻き込む(インボルヴ)」ことを属性とする。

 インターネットにアクセスするとき、我々は知らず知らずのうちに、好きな情報を選択してしまっている。ネットによって広くなったかに見える世界は、実際は狭くなっている。その結果、ネットは、強力な「増幅装置」、「汚染装置」、「偏向装置」として働いてしまうのである。

 だから、ネットが「社会を破壊する」ことを回避し、ネットを社会にとって頼もしいインフラとすることができるかどうかは、ネットに向き合う我々の姿勢にかかっていると言っていい。

 ネットに対して過度な期待をしないこと、即ち「適切な期待」を持つこと。refrexive(反射的)にではなく、refrective(反省的)に。そして、意味の増幅に巻き込まれるのではなく、意味の生成を行うこと。

 そのためには、ネットにばかり頼らず、じっくりと本を読んで、知識を積み上げ、refrectiveに自ら熟慮することが、何より大切なのではないか?

ジュンク堂書店発行『書標』掲載ジュンク堂書店難波店店長・福嶋聡

高田 明典(たかだ・あきのり)現代思想評論家、フェリス女学院大学教授

1961 年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了(心理学専攻)。同大学院理工学研究科博士後期課程単位取得満期退学(電子通信工学専攻)。東京電子専門学校、日本電子専門学校、早稲田電子専門学校、早稲田医療技術専門学校、尚美学園大学芸術情報学部の講師を経て、2004 年フェリス女学院大学文学部コミュニケーション学科助教授。2007 年より教授。『物語構造分析の理論と技法』(大学教育出版)、『現代思想のコミュニケーション的転回』(筑摩書房)など著書多数。通産省認定第1種情報処理技術者。情報処理学会会員、IEEE 会員、芸術科学会会員。 

●書籍名/ネットが社会を破壊する
●著者/高田明典
●ページ数/297ページ
●価格/1,470円(税込)
●発売/2013年05月10日
●出版元/リーダーズノート出版
●ISBN/978-4-903722-48-1

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リーダーズノート出版

『どこかに「毒」がなくてはつまらない。どこかに「蜜」がなくては諭しめない。どこかに「骨」がなくては意味がない』それらを自らのレーゾンデートルと位置付け、精力的に出版活動を行っている出版社。

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