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今、ビジネスパーソンが教養として、ウイスキーを押さえるべき理由

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昨今、日本のウイスキーは世界的な賞を受賞し、世界的な人気を獲得し、その地位を確立してきています。しかし、残念ながら、多くの日本人は、そんな日本のウイスキーについて、語る知識を持っていないのが現状です。

では、なぜ今日本人はジャパニーズウイスキーを教養として身につける必要があるのか?
その理由を、「マッサン」のウイスキー考証を務め、ウイスキーライターの第一人者である、ウイスキー文化研究所代表・土屋守氏の最新刊『ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー』より、一部を抜粋して紹介します。

世界のトップ層は、ウイスキーを教養として身につけている

マッカランが30年前から名門大で開くウイスキーセミナー
欧米の映画やテレビドラマを見ていると、ウイスキーを飲むシーンがよく登場します。
時にはその銘柄が登場人物たちのキャラクターを決めることもあり、ビジネス物やスパイ物などでは、ウイスキーが主人公の性格や社会的地位を雄弁に物語ることもしばしばです。
最近でも、織田裕二主演でリメイク版が放送された、アメリカのテレビドラマ『SUITS』において、スコッチの「マッカラン」が飲まれるシーンがよく見受けられました。
マッカランは〝シングルモルトのロールスロイス〟と称され、欧米で根強い人気を誇っていますが、そんなマッカランをオフィスで渋く飲む主人公の姿というのは、やはりセリフ以上に視聴者に伝わるものがある、と思いました。
皆さんのなかにも、『SUITS』でマッカランを飲む主演俳優ガブリエル・マクトや、織田裕二につられて、マッカランを購入した人もいるのではないでしょうか。

そんなマッカランについて、私には忘れられない話があります。
私がシングルモルトに興味を持ちはじめたころ、ロンドンのソーホーで『モルトウイスキーアルマニャック』(1987年刊)の著書、ウォレス・ミルロイ氏とお会いする機会がありました。そのときに聞いたのが、「マッカランの依頼で全国の大学を回って学生に無料のマッカランセミナーをやっている」という話でした。
今から31年前のことでしたが、青田買いならぬ青田売りとでもいうのでしょうか。オックスフォードやケンブリッジといった大学は世界中から学生が集まり、将来の政治家、官僚、教授、そして国際的なビジネスパーソンを数多く輩出する場所。一例を挙げれば、2020年現在のイギリス首相ボリス・ジョンソン氏にしてもオックスフォード出身です。
そうした将来ある若者たちにマッカランとシングルモルトについて、さらには「教養としてのウイスキー」について教える──こうしてウイスキー教育を受けてきた世代のエリートたちが、三十数年の時を経て、今、国やビジネスをリードする要職に就いています。
つまり、従来のワインと同じように、ウイスキーを知らないということが、政治やビジネスにおいて世界と渡り合ううえで、マイナスになることが現実になってきたわけです。

ウイスキー不毛の地も、ウイスキーの魅力に気づいた!?
このようなウイスキー教育は、大学だけに留まりません。特に本場スコットランドにおいては、ウイスキー教育はごく普通のこととなりました。
スコッチのシングルモルトがブームになり、スコットランドの蒸留所に観光客が訪れるようになった1990年代半ばころ、案内してくれるスタッフに製造のことを聞くと、「なんでそんな細かいことを聞く。日本に帰ってつくるつもりか?」などといわれたものでした。
ところが、それが5年もしないうちに、スタッフのほうから積極的に製造の細かいスペックまで教えてくれるようになったのです。
そこには、消費者を育てることへの視点があったのでしょう。長い不況を乗り越えたスコッチ業界は、「これからはエデュケーションだ」と、いち早く〝教育〟の重要性、情報発信の大切さを認識しだしたのです。
今、スコットランドを訪れると40近い蒸留所が世界中から観光客を受け入れていて、驚くほど多彩なプログラムを用意しています。なかには2日コースというのもあり、教育にかける本気度がひしひしと伝わってきます。現在では、訪れる観光客は年間200万人を超えているでしょう。

こうして蒸留所で教育された消費者は、その後熱心な愛飲者となり、大切な顧客となっていくのです。そしてそれは、スコットランドだけに留まる話ではありません。ウイスキーの新たなタネは世界にまかれはじめています。
たとえば、2019年の日露外相会談において、日本の河野太郎外相がロシアのラブロフ外相にサントリーの「響」をプレゼントしています。聞けばウォッカの本場ロシアでも、昨今はウイスキーをはじめとしたブラウンスピリッツの人気が伸びているのだとか。
また、序章のなかで詳述していますが、近年では台湾やインド、アフリカ、イスラム圏という長らくウイスキー不毛の地と目されてきた場所でも、ウイスキーづくりがはじまっています。
このように、ウイスキーは国や文化を超えて、以前よりももっと世界中に広がり、さまざまな地域で、新たに根づきはじめているのです。

地域経済の活性化にも貢献するウイスキー
さらにいえば、最近ではウイスキーが地域経済にとって重要なこともわかってきました。
地域経済活性化──スコッチやアイリッシュの多くの蒸留所を見てきて、私は5年ほど前から日本でもクラフト蒸留所の誕生が、地域経済の切り札になると考えるようになりました。世界的なクラフトウイスキー、クラフト蒸留所ブームで、2015年ころから日本でもクラフト蒸留所が相次いで誕生しています。
「47都道府県に最低一つの蒸留所」と冗談半分でそんなことをいってきましたが、現実は私の想像をはるかに超える勢いです。今ではジンやスピリッツの蒸留所も加えると、日本には60を超える蒸留所がひしめき、旅行者を楽しませています。

とはいえ、「ワイナリーや酒蔵も各地にあるじゃないか」と思った人もいるかもしれません。もちろん、ウイスキー以外にも酒蔵ツーリズムというのは存在します。しかし、ウイスキーほど目で見て楽しめて、人を引きつけられるツーリズムはほかにないと私は思っています。
日本酒やワインは仕込みの時期が決まっている季節物であり、実際に訪れてもそれほど酒蔵やワイナリーのなかで見せてもらえるものは多くありません。
それに比べてウイスキーは1年中つくれますし、糖化・発酵・蒸留・熟成とそのプロセスは複雑で、見るべきものがたくさんあります。
銅製の蒸留器も一つとして同じものがなく、見ているだけでもワクワクします。要は多くの人を引きつける魅力があるのです。

日本中の蒸留所をトータルしたら、スコッチ同様、軽く年間200万人以上が訪れているでしょう。また、蒸留所誕生のニュースが地方局や地方紙の目玉となり、市長とクラフト蒸留所の代表が共同会見をするようなケースも出てきています。
それだけ各地域にとって、ウイスキー蒸留所は経済を活性化させるハブとして、期待を集めているのです。

日本人なのに、ジャパニーズウイスキーを語れないのはもったいない
ウイスキーを取り巻く環境は、近年目まぐるしく変化してきています。もしかすると、昔のウイスキーのイメージをそのまま持っている人にとっては、まったく別物になっているかもしれません。
特にジャパニーズウイスキーに対する評価は、うなぎのぼりです。世界中の酒類コンペで最高賞を受賞し、今ではオークションの高額落札品の常連となっています。
しかし、惜しむらくは、当の日本人が自分の国のウイスキーについて知らないことです。よく海外に留学などに行くと、「あなたの国は、どんな歴史や文化か?」と聞かれて、自分以外のまわりの留学生は自分の国のことをすらすら話すのに日本人だけは話せない、という話を聞きます。同じようなことがウイスキーの世界でも起きているのです。

世界には日本のウイスキーのことを知りたがっている人が大勢います。ところが、肝心の日本人が、ウイスキーの教養を持ち合わせていない。現在、新型コロナウイルスの感染拡大でインバウンドは大きく落ち込んでいますが、収束すれば旧に倍する人々が世界中からやってくるでしょう。
国際化やグローバル化はますます加速していきますが、そのときに必要なのは何か──国際社会を生き抜くビジネスパーソンにとって、私はウイスキーの知識、なかでもジャパニーズウイスキーの知識が武器になると考えています。
だからこそ、ジャパニーズウイスキーとはどういうものなのか、基本・歴史・現在・課題といったことをこの一冊に凝縮して、一人でも多くの人にお伝えしたいのです。

日本のウイスキーは、1923年に誕生から100年を迎えます。これからさらにジャパニーズウイスキーを盛り上げるとともに、日本人にこそジャパニーズウイスキーを伝えて、先人たちの火を守り続けていきたい。そして、世界にもっとジャパニーズウイスキーの素晴らしさを知ってほしい。

いつか海外の映画やドラマで、ジャパニーズウイスキーが主人公のキャラクターを決定づけるような存在として登場する──そんな時代がくることを願っています。


書き手:著者 土屋守
本稿は『ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー』の「はじめに」を抜粋して作成

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