「国連なんて何も知らないですよ。慰安婦問題だって、何だってね、ほんとうのことを教えてあげると、みんな『そうなの?』って驚くんですよ」
3月22日、紀伊國屋書店新宿本店のイベント会場で、日本を代表する保守論客ケント・ギルバート氏のトークショーが行なわれた。新刊『日本人は「国際感覚」なんてゴミ箱へ捨てろ!』(祥伝社)の刊行記念である。満席の会場はケント氏のトーク術に魅了され、拍手喝采の嵐だった。
日本人は国連を信用しすぎるというのが、ケント氏の持論。これも「日本国憲法」の中にある「国際協調主義」による呪縛だ。
「国際協調って何なの?」ケント氏は問いかける。
「世界のどこの国も自分たちの都合で動いている。国連もそう。国連の都合で動いている。みんな自分たちの都合で動いているんですよ。トランプ大統領がアメリカ・ファーストって言ったというけど、そんなものは昔からあったんです。それなのに、日本だけが協調するんですか?」ケント氏が「国際協調主義なんてものは、ゴミ箱へ入れてください!」と決め文句を言うと、会場から大きな拍手が起こった。
日本人が「国際協調の場」と信じる国連は、一部のNPO法人によって牛耳られているという。彼らによって情報操作が行なわれた結果、委員には他の意見が入ってこない。たちの悪いことに、日本に不利な情報を流すNPO法人には、日本のものが多く含まれる。
ケント氏によると、それでも最近の日本人は自分たちの意見を伝えることをしはじめたという。日本の国益を損ねようとする日本人は、ダブル・スタンダードをとっている。「日本人は国際感覚が欠けている」と言うけど、それは、アメリカとか、中国とか、韓国とか、一部の国への奉仕でしかない。「国際社会の常識では、自国の国旗も、他国の国旗も損壊すると罪になるんですけど、日本では、他国の国旗を損壊したときだけ罪になるんです。自国旗なら、公然と切り裂いても、踏みつけてもいい。アメリカだって、ドイツだって、これは罪になります」もうひとつ、国際常識にあてはまらない国があって、それが中国だ。「中国はね、自国の国旗損壊罪はあるんですけど、他国の国旗損壊はやりたい放題なんですよ。刑法上の罪がないんです」 つまり、国旗損壊に関していえば、日本と中国だけが「国際感覚が欠けている」ということになるのかもしれない。