戦後70年の今年、戦争を振り返るさまざまな催しが行われている。
書籍や雑誌でも戦争を題材にしたものが出版されている。
そのなかでも特に目を引くのが童謡に焦点をあてた合田道人の最新刊
『本当は戦争の歌だった 童謡の謎』(祥伝社黄金文庫)だ。
この書籍には、「かもめの水兵さん」、「ウミ」、「汽車ポッポ」、「里の秋」など、子どもたちによく歌われる童謡や唱歌22曲が取り上げられている。
例えば、海を代表する童謡『我は海の子』に実は7番まで歌詞があったことをご存知だろうか?この唱歌、現在は3番までしか教わらないが、終戦までは7番まで歌詞があった。
その7番の最後に、♪いで軍艦に 乗組みて 我は護らん 海の国♪ という歌詞がある。
これこそまさに、子どもたちを海軍日本の立派な兵士にするための教育歌だったのだ。
このように普通に歌われていたが、その背景には戦争の影が見え隠れする童謡、戦争に翻弄された唱歌など22曲を取り上げ、歌にまつわるエピソード、取り巻く時代背景などを解説している。
この本を推薦の言葉を寄せている女優の倍賞千恵子さんの、「この本を読んで現在の平和を改めて噛みしめてほしいのです」という言葉が胸にしみてくる。
著者
合田道人(ごうだ・みちと)
1961年北海道釧路市に生まれる。
79年、高校在学中にシンガーソングライターとして渡辺プロダクションからデビュー。
翌年、数々の新人賞を受賞。
その後、音楽番組の構成演出、司会、CD監修、解説、新聞雑誌の連載、作詞作曲などで異彩を発揮。
2002年、『案外知らずに歌ってた 童謡の謎』が各マスコミにも取り上げられ、いきなりベストセラーを記録し作家としての礎を築く。
その後、「童謡の謎」がシリーズ化され好評を博し、累計60万部を超える。
また、2013年9月に刊行した『全然、知らずにお参りしてた 神社の謎』も大ヒット。
財団法人日本歌手協会理事、JASRAC正会員。