美しく純粋な魂が奏でる、せつない祈りに満ちた純愛小説集。
現在オリジナルPVを
公式サイトで公開中。
小説・映像・音楽、すべてが市川拓司先生の手によるものです。
『スワンボートのシンドバッド』『ぼくらは夜にしか会わなかった』『花の呟き』『夜の燕』『いまひとたび、あの微笑みに』 なにを書いているの? と訊ねると、彼女は、わたしたちの物語、と答える。わたしたちがここにいたこと、ここで出逢い、そしてともに生きたこと、そのすべてを書き残しておきたいの。わたしたちの運命がどこに向かっているのか、それを知ることができたらと思う。でもそれは所詮無理なことよね。だから、せめて忘れ去られてしまうまえに、こうやって言葉で残しておこうと思ったの。
去り行く定めにある者たちが抱く淡い夢。記憶の中に生きること。憶えていてね、と彼女は言った。忘れないで。
(『いまひとたび、あの微笑みに』より)
【著者略歴】
市川拓司
1962年生まれ。
東京都出身。
インターネット上で発表した小説が注目され、2002年『Separation』でデビュー。
2003年『いま、会いにゆきます』がミリオンセラーに。
主な著書に『恋愛写真―もうひとつの物語』『その時は彼によろしく』『世界中が雨だったら』『弘海―息子が海に還る朝』『ぼくの手はきみのために』『吸涙鬼―Lovers of Tears』などがある。

書名:ぼくらは夜にしか会わなかった
著者:市川拓司(著)
発売日:2011/10/26
定価:1575円(税込)